自己破産者のメンタルケア

長引くウィルスとの闘い……病みますね。『自粛』というだけで病むのに、『自己破産』というのは、それまでの暮らしが大きく変わります。

 

車がなくなり、家がなくなり、カードがなくなり、もしかしたら家庭もなくなっているかもしれません……

 

他人に知られる事ではないですが、本人はその事実を知っています。自己破産手続きを踏む方は、生真面目な方が多いです。

いい加減な人は、ほったらかしていても何とも思いません。催促が来ても気にしません。他人の目ももちろん、気になりません。

 

だから、その選択をしなければならなくなった生真面目な方なので、自身を責めているケースも多いのです。

 

そのため、大半の自己破産者も自己破産後に病みます。人によっては、他人から破産者だと見られているのではないかと、怯えてしまう場合もあります。

 

せっかく人生を立て直すために、苦しみから解放されるための手続きなのに、その後、頭を抱えていては上手くいきません。

 

今回は、自己破産者のメンタルケアを中心に、ご紹介したいと思います。

 

f:id:shikujiriblog:20200809081800j:plain

 

仲間や家族が破産した場合、どのように声をかければ良いのでしょうか。

また、自分が破産した後、罪悪感に駆られて辛い場合は、どうしたらいいのでしょうか。

 

その辺りを経験者として、語りたいと思います。

 

借金、破産という言葉を聞くだけで冷や汗が止まらなくなる

 

これは私の知人社長のケースです。生粋の営業マンとして、業界では名も知られた方でした。その手腕に協力者も多く、脱サラして独立後、多くの取引先を持ち、ものの数年で年商10億を超え、従業員も20人以上抱える社長となりました。

 

イケイケな社長でしたが、義理堅く、中元や歳暮も欠かさず出すような方でした。そして、お金で人の関係が崩れる事をよくご存じでした。だから、お金の面は几帳面でした。

 

それでも、何度も苦難がありました。

結果、10年目を前に倒産しました。

 

イケイケなだけに、周りからの反応も厳しい物があったのか、その後、彼は『借金』『破産』という言葉を聞くだけで冷や汗が出て、鼓動が早まり、めまいがするようになったそうです。

 

ワンマンで、弱みを見せない性格だった事もあり、その悩みも奥様だけが知っているくらい隠していたようです。

 

結果、そこから5年くらいは病院通いしながらの立て直しになりました。その間、かなり髪が減り、全体的に老けた印象を受けました。

 

それまで、病気とは無縁の方だっただけに、私も驚きました。

 

このように、自己破産をした方というのは、罪悪感や敗北感などで自分を責め、その結果、体調不良を起こすという事をまず、知っておいてください。

 

破産くらい、皆してるよ

 

大げさな話ではなく、人に言わないだけで、割と自己破産者というのはかなりの数がいます。そして、自己破産は罪ではありません

しないで成功できるのが一番ですが、かの大統領や有名な実業家も自己破産を経験しています。

ですから、破産=敗北という図式は間違っています

 

借金は苦しいです。真面目であればあるほど、苦しいです。苦しいから破産をするのです。

 

その苦しみを少しでも感じ取ってあげてください。たとえ、ルーズな人であっても、本当にルーズならば、自己破産という形を取ろうとしません。そのまま、ズルズルと先延ばしにできるのです。

 

そして、一番大切なのは、自己破産者の未来です。より良い未来のために、自己破産をしたのです。苦しみが増しては意味がありません。

 

ですから、破産は悪い事ではない、仕方がなかったという結論を共有し、振り返るのを忘れてしまうくらい、楽しい未来の話をしてください。

 

借金がなくなったから、これからは貯金ができるようになる、など、プラスの要素は探せばいくらでもあると思います。

 

今までの生活から失ったものに目を向けるのではなく、得られたものに目を向けてください。

 

それを共感できるのも、家族仲間身内の力です。

 

ただでさえ、病みやすい世の中です。自分の家族、仲間、身内くらいは大切にして、本当の意味で力になりましょう。