平均給与と物価

物の価格が上がっているので、

所得が上がらないと生活が苦しくなります。

日本は、物価が下がるデフレが続いていました。

いつからデフレが始まったかというと、1980年代後半のバブル経済崩壊からだそうです。

 

1991年から土地価格などが下落して、1992年から物価上昇率が下落するディスインフレの状態でした。

 

ディスインフレは、物価上昇の幅が小さくなっている状態です。

正確にいうと、ディスインフレはデフレではありません。

むしろ、デフレの入り口と言うべきです。

 

そのデフレの入り口から数えると30年間、デフレが継続していたのが日本経済です。

 

平均給与は20年以上横ばいに近い

国税庁の民間給与実態統計調査では、毎年日本での平均給与が公表されています。

 

この調査によると、1990年の平均給与は425万円で、そこから数年は上昇していきました。

そして、ピークは1997年の平均給与で467万円でした。

 

ピークからは2020年まで減少が続き、2020年の平均給与は433万円でした。

現在の40代前半より若い世代は、給与が減少している状況しか知らないことになります。

 

ちなみに、2021年は前年比2.4%UPの443万円になっています。

過去を見ても、2009年から2010年は平均給与額が10万円増えるなど、420万円から440万円程度を行き来している状態でした。

 

給与が下がるもしくは上がらないのは、悪いことだ。

給与が上がらないのはデフレのせい、そういう論調が多い気がしています。

 

物の価格が上がれば給与も上がる?

ニュースで、物の価格が上がれば給与も上がる。

だから、物の価格が上がった方が良い、という理論があります。

 

物の価格の上昇以上に給与が上がれば、その通りなのかもしれません。

 

物の価格が上がれば会社が儲かり、会社が儲かれば給与を上げる。

会社が給与を上げる、と言う話です。

 

でも、給与がない人がいることを忘れていないかな、と思います。

 

ちなみに、年金生活者は調整が入ります。

2021年の年金受給者は4,000万人を越えています。

 

年金も「マクロ経済スライド制」があり、

インフレを調整します。

物価上昇率の半分は収入が増えるように調整されます。

 

日本の少子高齢化社会で年金生活者が多いし、

これからも増えることが予想できる中、インフレを喜ぶ人はどのくらいいるのでしょう。

 

そもそも値段を上げる努力と値段を下げる努力では、値段を下げる努力の方が難しいはずです。

値段を下げないと消費者が受け入れないから、値段を下げる企業努力をしていたはずです。

 

物価が上がって本当に給与が上がるのか、2023年の平均給与の動きを注視していきます。