銀行から融資を断られるという事=死の宣告?

新規立ち上げの場合、融資を断られるのなら、やらなければ良い事でしょう。

 

しかし、融資を受けて運営している状況下での『銀行から融資を断られる』という答えはかなり意味合いが変わって来ます。こちらは、例えるならば、死の宣告とも感じるのではないでしょう。

 

この記事では、銀行を融資を断られた時について、紹介したいと思います。

 

融資というのは必要のない時は枠がある

 

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上手く出来ている物で、融資というのは必要のない、絶好調の時は余計に枠があります。それもそのはず、資金繰りが上手く行っているのですから、担保として評価できる要素も数多く存在するからです。

 

「社長、少し付き合ってくれませんか?」

 

金利で稼ぐ銀行としては、担保の多い相手に貸して、金利を取りたいのが本音でしょう。良い操業をしている時は、取引銀行からこんな声がかかる事も多いでしょう。

 

巷では信用付けのために、借りておいて少し付き合っておくと良い、などと言われていますが、それはよっぽど強いパイプがある場合です。

 

実際、銀行マンという職業は、2、3年で転勤させられてしまい、癒着しにくいように作られています。そんな中、どうしても融資を受けたい場合に備えてコネを作るなら、転勤2年目の人物にツバを付けると良いでしょう。

 

その人物が転勤直前、融資を付けてもらえば、その後は引き継いだ人間の実績になるため、事故を起こして前者の経歴に傷は付かないため、乗る可能性は上がります。

 

話はズレましたが、融資というのは、下がり始めにしか付きません。下がり切ってから、慌てて申し込んでも手遅れになります。

 

私も当時、調子よく年商が膨らんでいる間は、出店計画に合わせて銀行はどんどん融資してくれました。最初は500万円、1,000万円、2,000万円・・・

 

加えて、個人としてマイホームの購入など、借金は転がるように増えて行きました。

 

『借金も財産のうち』

 

なんて言葉を鵜呑みにしていた当時の私は、借りられるなら借りてしまえと、どんどん借りて手を広げました。

 

先の記事『倒産の決断』にも記載しました、韓国との貿易商材でのトラブルの際、状況は一変しました。

 

「長期は・・・厳しいですよ、社長。短期でしたら」

 

今までは3年、5年、7年というスパンでの融資ばかりでした。しかし、この時、担当者が提案したのは、半年後一括返済という言葉だったのです。

 

しかし、借りなければ国際裁判が待っていた私は、首を縦に振るしかありませんでした。

 

この後でした。毎月顔を出していた、多い時には毎週、お茶を飲みに来ていた担当者が一切、顔を出さなくなりました。私は、売上拡大に追われる毎日を送り、あっという間に半年が経過しました。

 

「これ以上の融資はできません」

 

半年後、何とか短期分は返済しましたが、運転資金ゼロとなっていました。向こう半年ほどの資金が欲しいと懇願しましたが、答えはこの通りでした。

 

ここからは、まるで雪崩のようでした。私は自己資金も吐き出し、売上拡大に努めましたが、思い通りにいかず、なくなる一方の通帳資金に頭を抱えました。

 

『このままでは従業員の給料も払えなくなる』

 

そう思った私は、残っている少数のスタッフに当月分の賃金を満額支払い、月初めで退職してもらいました。勤務していない日数分の給料で、就職活動して頑張って欲しいと見送りました。

 

それから、仕入業者へ支払を全て行うため、売上業者へ入金の催促を行いました。事情を包み隠しなく説明し、頭を下げ、各社へ挨拶して回りました。

 

そして、銀行やリース会社への支払いだけを残し、私は知人社長に破産するための弁護士費用を融通してもらい、弁護士事務所へ向かったのでした。

 

事業途中で銀行から融資を断られるという事は、帳面上及び今後の資金繰り計画上、回収不能という判断を下されたという事です。ここから巻き返すのは、努力だけでは難しいでしょう。

 

その後、私はそう言った相談があった中小企業の融資付けの手伝いも行いました。結果は、やり方によっては融資が付く企業が大半だという現在の私の結論です。

 

ただ、この状況になった場合は、自己破産は視野に入れておくべきかと思います。