破産、倒産による変化について

ここでは、倒産自己破産によって変化する物について、紹介したいと思います。ここまで読んでいただいた方は、知識もお持ちだと思いますので、おさらいのつもりで読んでいただければと思います。

 

変化する物

 

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  • 心境

 

説明しなくても分かると思いますが、借金苦で追い詰まっていた心は法律という庇護の元、解放されます。これは、責任感が強ければ強いほど、解放感も高いと思ってください。

 

苦しんでいる時は、灰色に見えた世界に、色が戻ったような変化が起こります。自然と笑顔も出る事でしょう。

 

  • 地位や立場

 

倒産を経験する立場ですから、代表者としてそれなりに箔があった事と思います。地元では風を切って歩けた、などという方ほど、次の手がない場合、落差が大きくなります。

 

それまでのツテを使って、就業できた場合でも、助けてもらったという義理ができてしまい、それまでの立場ではいられないでしょう。

 

そんな時は、もっとポジティブに考えると良いと思います。今までは、『社長として、全責任を取らなければいけない立場』だったと思いますが、『何の責任もなく業務に全うできる』という楽な立場になったと捉えると気持ちが変わります。

 

しかし、それまで威張っていればいるほどギャップに悩まされるでしょう。また、力を貸してくれる人の数にも影響します。経営者たるもの、老若男女問わず、常にフラットな立場で人と接しておくのが吉です。

どこの誰がいつ儲け話を引っさげて来るか分かりません。決めつけや思い込みほど無用な物はありませんから、この際、捨ててしまいましょう。

 

  • 金融事情

 

所謂、ローンやクレジットカードのような、借入等の信用がマイナス状態になります。直食い(取引していて負債を免責)していない場合は、早期の取引も年収次第で可能だと思いますが、基本的にはキャッシュのみで戦う事になります。

 

不便に感じたのは、高速道路のETCです。キャッシュだと少し高く、ETCは作れない。これは本当に歯がゆかったです。

 

ネットなどの購入に関しては、カードが使えないのは不便に感じるかもしれません。当時はまだまだ普及していませんでしたが、通帳残高をそのまま引き落とすクレジットカードのDebit Cardがオススメです。

信用のあるなしに関係なく、口座さえ作って、現金を入れておけば使えます。

 

その他は、収入さえあればキャッシュで何とでもなりますので、特に不便を感じなかったです。

 

変化しない物

 

  • 税金

 

これは私も見落としていて、苦労したのですが、税金は自己破産で免責にはなりません。法人税は、倒産と共に消滅しますので安心してください。

 

こちらは、あまりに落差のある収入の中で事情を説明して免除してもらえる可能性もあります。実際、私も引っ越した先の自治体の地方税は、これを理由に免除してもらいました。

 

しかし、それまで稼いでいた時に住んでいた地域は逆で、払え払えと煽りが凄かったです。自治体によって、税収差がありますから、余裕のある地域は免除率が高く、低い地域は免除されないのだと思います。

 

自分の住んでいる自治体の財政状態をチェックしておくのも良いでしょう。

 

  • 自分の性格とスキル

 

人は簡単には変われません。また、変わろうとしないと変わらない物です。せっかくリスタートしたところで、同じミスを繰り返しては元も子もありません。

 

自己破産で自分の性格や持っているスキルが変わる事はありません。次のチャンスに備えて、変える努力は必要です。

 

  • 世界

 

ここが非常に大切です。私やこれをご覧になっている方が倒産自己破産しようと、世界は何一つ変わりません。自分にとっては大事かもしれませんが、世界にとっては取るに足らない些事なのです。

 

苦しんで苦しんでやっと抜けたところで、劇的に世界が手を差し伸べてくれる訳ではありません。あくまで、ミクロな変化でしかないのです。

 

それが腑に落ちれば、命を懸けたり、他人を脅かしてまで借金苦の中を足掻く事がどれほど滑稽なのかが分かると思います。